インターネットのない世界

■インターネットのない世界

●インターネット環境がない40億人のためのPC「Endless」 ≪ WIRED.jp
世界には、未だにインターネットのない世界で生きる人達が40億人もいるという。「Endless」はそれらの人達のために開発され、オフラインでの活用を目指した低コストPC。

「Endless Mini :24GB」というPCの価格はモニター別で79米ドル。32GB版が99ドル。
ネット環境がない人のために、たどり着くと予想されるウェブページやアプリを予めローカルにダウンロードしておく、という考え方。

コンセプトには賛同するが、肝心のコンテンツがWikipediaというのはどうだろう。でもネット環境のない場所を考えるとそれがベターなのか。しかし…。うーん。


■Wikipediaの信頼性

Wikipediaは誰もが知っていることを再確認する場所で、新しい知識を得る場所とするには信頼性が低い。
ページの作成や修正はボランティアで行われているため、「専門家だが忙しい人」と「趣味で知っている程度だが暇な人」では、後者の意見が残りやすいからだ。そのため、正しい意見を持つ人が修正しても、暇な人が誤った情報で上書きするということが起こってしまう。

誰もが知っている情報でなおかつ一定数以上の閲覧者がいれば、誤った情報も修正される可能性がある。しかし、「誰もが知っているが間違っている情報」というものもある。勘違い、ことわざや熟語の誤用もないとはいえない。
これはWiki形式の構造的な欠陥なので、そういうものと認識しておくしかない。
それを確認するためには、複数の情報源をあたるかきちんとした専門家の意見を見なくてはいけないが、そのためにはネット環境が必要になってくる。

また、半端な知識の人間の作ったエントリーはやたらと冗長で回りくどく、読みにくかったりもする。このブログを見てもそれはわかるだろう。

ネット環境が行き渡ってない国では、ウェブサイトをUSBメモリを使ってローカルにコピーすることで情報を拡散していると聞いたことがある。なんたって『●南アフリカのインターネット通信速度は伝書鳩よりも遅い』のだから。
冒頭のデバイスが広く行き渡りさえすれば、そうした方法である程度の情報の新鮮さを保つことができるのかもしれない。
一定量以上行き渡ればスケールメリットが生まれるので、コストの削減や支援の拡大、対象地域向けのスポンサーなども考えられる。


■ネットがなければつぶやけないしググれない

しかしリアルタイムでのネット環境がないということは、ネットニュースやネット通販、SNSにチャットアプリ、ウェブメールも使えない。ウェブ検索そのものができない。つまりネットの優位点である即時性のほとんどが損なわれる。
こうしたことを考えると、このEndlessを使っても情報格差は残ることになる。


■何が便利かわからない?扱えない?

こういうことは一気に解消を目指すのではなく、少しずつの積み重ねなんだろう。これらの地域にネット回線が張り巡らされたとしても、住民の馴染みのないものになっては意味がない。
現実問題として、日本ではスマホで安価にネット接続できる世の中になっているが、それでも未だに機器が扱えない、ネットに馴染めないという人はいる。
「使おうと思えば使えるが、自分の意思で使わない」のなら個人の自由。だが、「使い方がわからない、扱えない」というのは格差につながる。

「ネットの何が便利かわからない」というのはもっと悲惨だ。
貧困国の親が子供に「学校なんか行っても一銭にもなりゃしねぇ」として低賃金労働に従事させる図式がある。きちんと教育を受け、一定水準以上の教養を身につければ将来性のある、ずっと高収入な業種への道が開けるのだが、親はその経験がないので学校へ行く価値がわからない。
それと似たものを感じる。

扱えない人の代わりにフォローしてくれる人が身近にいればまだいいが、そうでなければ情報から孤立してしまうことになる。
字が読めない、言葉がわからないということに近いのではないか。これはあながち比喩でもなく、PCやスマホに馴染みのない人にはネットの用語は伝わらない。
こうしたことを考えると、遠い国の話でもないように思えてくる。


■Endlessのもたらす価値

Endlessは、ネット難民の情報格差を完全に解消することはできないのかもしれない。
だが、それに触れる子供たちは、少なくともマウスやキーボードの操作には慣れることができる。

将来彼らがネット環境を手に入れた時、それに習熟する手間を掛けずにすぐ扱えるようになるということには価値がある。
ネットの便利さは伝わらなくても、「このPCってやつは百科事典みたいで便利だな」という認識ができるだけでも意味はある。


参考ページ:●INTERNET in Africa - アフリカでインターネット|Biotope Journal
Jutaro Kanazawa氏の『南アフリカのインターネット通信速度は伝書鳩よりも遅い』の言い回しが素敵だったので借用しました。


日本で低コストにネット環境を手に入れるには、今ならChromebookになるだろうか。新品でも3万円を切る価格帯。これに加えてプロバイダと契約し、月々数千円のランニングコストが発生する。
Windows PCと比較するとスペックは低めだが、これはネットのクラウドアプリ使用を中心に考えられているためだ。ネット閲覧 / 文書入力 / ウェブメール / チャットアプリ / SNS程度の用途なら問題なくこなせるはず。

コストだけで考えるとスマホのほうが安くなるが、それだとマルチタスク作業やキーボード操作を覚えられないデメリットが大きいと感じる。

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