映画 - ジュリアン (原題:Julien Donkey-boy)

ジュリアン [DVD]
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東北新社 (2001-08-24)
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原題:Julien Donkey-boy
監督・脚本: ハーモニー・コリン
プロデューサー: ジム・ツァーネック/ケイリー・ウッズ/スコット・マコーレー/ロビン・オハラ
撮影: アンソニー・ドット・マントル
出演: ユエン・ブレンナー/クロエ・セヴィニー/ヴェルナー・ヘルツォーク/エヴァン・ニューマン/ジョイス・コリン/クリッシー・コビラク

「KIDS」「ガンモ」などで知られるハーモニー・コリンの作品。
邦題がよくない。検索でも探しづらいし。これなら「まぬけのジュリアン」「のろまのジュリアン」などが適当なのではないか。さすがに「馬鹿のジュリアン」だとやり過ぎだろうけど。
ザラザラとした映像(画質)だが、ディスクがおかしい訳ではない。こういう演出。

合わない人にはまったく合わないだろうとのレビューがあったが、おれは合うほうだったようだ。
ハリウッドのようなわかりやすさや近年の日本映画の起承転結お涙頂戴とは対極にある映画。そういうのを求める人には合わないだろうと思う。


まともな人間がひとりも出てこない。誰もがいびつで、歪んでいて、周りとうまく溶け込めない。だがふと気づく。それでは、まともとはどういうことかと。自分はまともだと言えるのか。

体は人並みで頭のおかしいやつがいる。頭は人並みで身体のおかしいやつがいる。彼らのいびつさを見て感じるのは、まず異質さで、不愉快さで、不憫さである。この時点で、視聴者は無意識に自分を上に置いた視点となる。おいおいおかしいやつばかりじゃないか、まともな人間はいないのかと見下ろしてしまう。
次に思い至る。彼らへ向けた視線はそのまま自分に適用されうるものだと。どこかの誰かからは、きっと自分もこういう眼で見られているのだと。
そこでようやく映画の人物と同じところまで降りてくることができる。ユーモラスな場面がある。思わず笑いそうになり、顔の筋肉が笑顔になりかかった瞬間思い出す。あれは自分だ。おれなんだ。表情が引きつる。とても笑えない。おかしくて堪らないのに笑えない。忘れてしまいたい自分の失敗談を誰かがおもしろおかしく話しているところを盗み聞きするような気分だ。
だからといって、どうにもならない。どうしようもない。自分は自分でいるしかない。


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